STATEMENT

空を見たとき、「私は雲を認めた」と言うことができる。
同時に、「雲は私を認めた」と言語上では言うことができ、またこの感覚の現実味を人は持ちうるのではないかと想像する。
輪郭の外側にあるものの意識について人は知りようもない。しかし私はこの謎めいている、絵画においては「背景」とされるものの主体性を仮設してみたい。そして、形象とその背景の互いの領分を探ることを通して、人や物がある景色の中で占めうる場所について考えたいと思っている。